めまい外来
めまい外来
一言めまいと言ってもその原因は様々です。私たちのからだには、姿勢のバランスを保つ機能(視覚・前庭・固有知覚)が備わっていて、この機能に異常を来すとめまいが起こります。前庭機能をつかさどる器官が、耳です。そして、めまいの多くは耳が原因です。しかし、前庭機能は脳、特に小脳・脳幹にもあります。そのほかにバランスの機能に異常がなくても骨や筋肉に異常がある場合や血圧の変動、さらには不安や心配事、ストレスなど精神的なことが原因でもめまいはおきます。 当院のめまい外来では、主に耳からくるめまいを治療しますが、まず、めまいの原因を診断します。
めまいの診断に関して必要なのは、めまいの詳細な状況です。診察の際は以下の点について整理しておくと、診断がスムーズになります。
- 01いつごろから。
- 02どのような状況(たとえば、立っていた・寝ていた・歩いていた・座っていた・頭を動かした時など)なのか?
- 03どのようなめまい(回転性か、ふらふらか・気が遠くなる感じかなど)か?
- 04どのぐらいの時間(一瞬・数秒・数分・数十分・数時間・数日・毎日)持続するか?
- 051回だけか、繰り返すのか?
- 06めまいだけか、他の症状(耳鳴・難聴・頭痛・意識消失・手足のしびれなど)もあったか?
めまい外来で行う検査
めまいの診断に重要な上記の問診ですが、検査としては以下のような検査をします。
眼振検査
眼球の動きをみる検査です。耳や脳の平衡機能に異常があると、眼振がみられます。特にめまい感があるときにこの眼振があるかどうかとても重要になります。
検査はベッドに仰向けに寝た状態で、特殊なメガネを付けて、目を開けた状態で頭を上下左右に動かして眼球の動きをみます。
重心動揺検査
からだのバランスがきちんととれているかを調べる検査です。目を開けている状態と目をつぶっている状態で、体のふらつき具合がどの程度違うかを観察します。
聴力検査
めまいには耳鳴りや聞こえの異常を伴う病気があります。自覚症状がなく、難聴になっていることもあります。聴力のチェックは重要です。
そのほか、目をつぶった状態で足踏みをしてからだの向きがどの程度ずれるかを観察することもあります。
VEMP検査
耳の平衡機能の一つである耳石器の機能を評価する検査です。
耳の平衡機能の一つである耳石器の機能を評価する検査です。大きな音を聞いてもらい、その間の首の筋肉の反応を測定します。耳石器に異常があると起立時,歩行時に倒れそうになる不安定感を感じるといわれています。
めまい診断にとって大変有用な検査です。
足踏み検査
閉眼で足踏みをし、動いた方向などにより動的バランスを評価します。
シェロング検査
臥位・立位での血圧の変動を見ます。自律神経異常や循環血液量の減少を判断するための検査です。
温度刺激検査
耳の平衡機能の三半規管(外側半規管)の機能を評価する検査です。耳(外耳道)に冷たい水を入れて耳を刺激し、眼振(がんしん)やめまいが起こるかどうかを観察します。左右で行います。
当院でのめまい外来 初診の流れ
- 01めまいの問診票
問診票によりめまいの状況を把握します。他科の持病・常用薬の情報はめまいの診断に有用です。 - 02平衡機能検査
○重心動揺検査
○聴力検査
○VEMP
〇足踏み検査(必要に応じて)
〇シェロング検査(必要に応じて)
〇温度刺激検査検査(必要に応じて) - 03めまいの詳細な問診
問診と検査結果をもとにさらにめまいについて詳しくお聞きます。めまいの診断の90%は問診によると言っても過言ではありません。めまいの状況について根掘り葉掘りお尋ねします。
多少うるさいと思われるかもしれませんが、正しい診断のためにご協力ください。 -
04眼振検査
CCDカメラにより目の動きを観察します。耳や脳の異常の鑑別に必須の検査です。
診察時の耳や脳の平衡機能の状態が分かります。 - 05検査結果の説明
検査結果より考えられる疾患・治療について説明いたします。
※めまいの診療はお時間を要するため、時間予約制になっています。事前の予約をお願いいたします。
特に初診では、来院から診察終了まで1時間半程度かかります。時間に余裕をもって来院ください。
初診費用:約6,000円(3割負担)
※診察の上、さらなる精密検査が必要な場合は東大病院耳鼻咽喉科めまい外来へ紹介いたします。